さて、このごろIgGによる遅延型フードアレルギーの検査が可能になりました。
とはいえ、米国に送ってするものですので、一回3万円ほどかかります。
どういうものか
これまで、保険診療の採血で調べることができたのは、暴露後または、摂取後数時間以内に、目のかゆみ、鼻水や鼻のかゆみ、蕁麻疹、腫脹等の生体の反応が起こる即時型アレルギーでした。この反応はIgEを介し、即時型アレルギーとして、一般的によく知られています。この反応は通常激しく突然に起きるため、原因となる食物とその症状との関係は明確です。
しかし、アレルギーにはIgG免疫機能によるものも存在します。これは、遅発性のアレルギーで、発症に数時間から数日間もかかり、かつ、長期間続いて遅発性の症状を呈するため、原因を認識するのが容易ではありません。このため、その存在にまったく気づかれません。 症状の多くは軽度で慢性的であり、多岐にわたります。
下記に関連ある可能性がある疾患をあげます。
アトピー性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、じんましん、血管性浮腫、接触性皮膚炎、口腔アレルギー症候群、過剰発汗、口唇炎、アフタ性口内炎
小児脂肪便症、過敏性腸症候群、腸疾患・結腸炎、好酸球性胃腸炎、消化病
鼻炎、季節的なアレルギー性鼻炎、 喘息
遺尿、排尿時の激痛と夜尿症(子供の場合)
注意欠陥障害、活動過多と不機嫌(子供の場合)、頭痛、片頭痛、自閉症、統合失調症、慢性疲労症候群、てんかん
メニエール症候群、慢性化膿性中耳炎、反復性の副鼻腔炎、耳感染、鼻詰まり、反復性の副鼻腔炎
線維筋痛、リウマチ関節痛
IgG抗体アレルギーについて、まとめると、次のようになります。
いろいろな症例をみてきますと、意外に、よく食べているものが、高レベルのアレルゲンとして、でてくることがあるようです。現代社会において、バナナ、キウイ、パイナップルといった、季節を問わず食べることができてしまう果物などに高率に陽性が出るとか。リンゴなど季節のあるものは割とでにくいそうです。
そんな話をある患者さんにしたら、”え?私いつもリンゴ食べてます” ”1年中ってこと?じゃ、しばらくやめてみたら?”そして2週間後。。。ずっとなおらなかった顔の赤みが大分消えて略治状態。もう通院なさらなくなったので、完治したのでしょう。
IgGのアレルゲンは永久に絶対除去、というものではなく、長くて半年程度除去していると、4日に一回くらい食べても大丈夫になるようです。米国にオーダーしている検査なので、三万円です。説明等、時間をかけて行う必要があるので、自費診療の中で、お時間頂いています。
この検査を究めていったところ、体内の重金属の蓄積や、腸内環境、消化吸収にも関わってくるようで、順次項目を追加していく方針です。
疾患にはいろいろなアプローチがあると思います。特に漢方治療などは、植物の作用の相乗効果などもあり、もしかすると、目に見えている形でしているこのような検査や治療も漢方の中の生薬で少しずつ同じように治癒がすすんでいることもあるのかもしれません。その事も追記しておきます。