ほくろや、皮膚や皮下に何らかの固まりができた、そんな場合も、ご相談下さい。
オゾン層の破壊により、地上に届く紫外線量が年々増えているのに伴って、皮膚腫瘍の発生も増えています(紫外線について参照)。
ほくろに関しては、特に大きいもの青黒いもの、急速に大きくなるもの、いびつな形なもの、辺縁が明瞭でないものなどには特に、悪性の可能性があります。
皮膚腫瘍に関しては、良性と悪性があり悪性は転移する可能性もあるので、判断が大事です。悪性のものとして、よくあるのは、基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫などです。前癌病変(そのままにしておくと、皮膚癌へと発展するもの)としてあげられるのは、日光角化症、ボウエン病、ページェット病などです。
良性のほくろを学術的には、“色素性母斑”といいますが、こちらは、手術か炭酸ガスレーザーでの治療が主流です。
”脂漏性角化症”は良性の病変ですが、整容的、物理的に問題のある事があり、液体窒素での凍結療法などで加療します。
表面の病変については、ダーモスコープという角質表面での乱反射を防いだ状態で皮膚病変を拡大して観察することができる虫眼鏡のようなものをもちいて観察します。これによって、普通に見ただけでは判断するのが困難であった皮膚病変に対し、悪性の可能性があるのか全く心配のない良性のものなのかという判断がある程度可能です。
当院では、局所麻酔下での、皮膚バイオプシー(皮膚生検)、簡単な手術も行います。大きなものに関し手は部分的に3〜4ミリの切片をとります。小さいものに関しては、全切除します。得られた皮膚切片を、病理組織検査し、より詳細な結果をおしらせします。
また、必要があればより高次の医療施設へと御紹介いたします。
悪性黒色腫がとても疑われる場合は、皮膚生検により転移が早まる可能性もあるので、皮膚生検はせずに、拡大切除も可能な、高次の医療施設へと御紹介いたします。